日本の木材自給率は1990年に26%迄低下し、世界でも有数の木材輸入国です。熱帯広葉樹の丸太の半数近くを日本が輸入しています。日本の企業が直接熱帯林を伐採することもあり、現地でも自然環境破壊という批判が高まっています。
熱帯材は、他の木材と同様に建築や土木に多く使われています。日本の一人当たりの合板消費量は、米国、カナダと並んで飛び抜けて多くなっています。その大半が『コンパネ』と呼ばれているコンクリートの流し込み用の型枠に使われています。これがほとんど2~3回の使用で、使い捨ての状態になっていることが問題になっています。
フィリピン、インドネシア、アマゾンなどの熱帯林で伐採された木材は、このような合板として消費され、貴重な森林が破壊されてきました。これらの国は、政治的背景も重なり、森林が壊滅的な状況に陥っているのを知りつつも、外貨を稼ぐ手段が少ない為、国で一部伐採を認めたり、その認めている伐採量を明らかに超える量の不法伐採が今も続いています。また、これらの国では、伐採後、お金のかかる植林は、ほとんど行われていないのが現状なのです。
戦後、日本の木材需要が、世界の森林・環境を破壊してきました。これからは出来るだけ自国の資源で住宅は建てていかなければなりません。さらに、破壊した森林の再生にも目を向け、恩返しをして行かなければいけません。とにかく「安いから使う」では、自分さえよければ「あとは野となれ山となれ」と言っているのと同じです。せめて皆様が新築する際は、産地、出所の明確な材を選択していただきたいと、私たち県木住は考えます。今までは戦後の木材不足により、輸入材に依存する事がやむを得なかった部分もありましたが、石油などとは違い、現在の日本には戦後、先人の方々が一生懸命植林した「使うための木材資源」があるのです。日本の木材輸入量が減ると、間違いなく不法伐採の量は減ることでしょう。また、住宅を建てることを通じて、子供達に自然の大切さを教えていくのも大事なことだと思います。尚、様々なホームページで世界の森林破壊の状況が紹介されていますので、是非ご覧になってから木材の選択をして頂きたいです。→※環境保護について
また、今ではロシア、シベリア、カナダ、北欧など北洋材の輸入量も日本がトップで、そのほとんどが原生林であり、同じく環境破壊を続けています。同じ過ちを繰り返す原因の一端は、事実を知らされていない、知ろうともしていない設計者、大工、工務店、住み手にもあるのではないでしょうか。
地球人、青森県民としてのお願いです。依頼する建築業者に、『県産木材でお願いします』と言って下さい。そして、その山が必ず『再植林される山』かどうかを確認してください。
『日本の木を伐るという行為は、日本の自然を破壊するのでは?』という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。もちろん、木の成長量以上の早さで木を伐るのは自然破壊そのものです。また、残さなければならない森林(自然林)を保護することも大変重要です。ただ、現在の日本の森林の大半は、人が植えた人工林と言われています。昔の人が苦労して植えた森林(人工林)という再生可能な資源を、失うことのないように、有効かつ大切に利用するべきではないでしょうか。
木は使った後、放置するか、焼却すれば土に還ります。木を焼却して出る物は、二酸化炭素と水と灰が大部分ですが、そのいずれもが、木を育てる役目を果たします。使う→耐用年数が過ぎる→放置又は焼却処分する→土に還る→木の栄養分になる。これは大自然の大きなリサイクルだと考えます。
ところで、日本の住宅建築に日本の木を使うと日本の自然が破壊されると思っている方は、何を使って住まいをつくられるのでしょうか。外国の木を使うというのは論外です。(外国の自然を破壊します)「鉄」でしょうか。鉄の原料である鉄鉱石はどこから持ってくるのでしょう。山でしょうか、海でしょうか、それは自然を破壊しませんか?
太平洋戦争とその敗戦後の復興期において、日本の森林は3度目の危機に直面することになります。1950年に実施された林野庁の調査によれば、温帯の工業国における木材蓄積量は、この時、最低レベルまで落ち込みました。けれども、この危機に直面して日本人は再び植林に精を出し、日本の山々の緑を蘇らせました。今、地域の山々に成長した木々が見られるのは、この時の植林によるものです。
今回の危機は、これまでのような破壊的な伐採によるものではなく、逆に『放置されたが故の森林の荒廃』という点に大きな特徴があります。森林は決して静止していません。生きて動いています。
日本の森林、特に人工林は、密植して間伐するという独特の育林システムを持ち、植付け本数と間伐をコントロールすることで保持されてきました。樹幹のプロポーションを決めるのは、天空に伸びようとする木の持つ本能と、周囲の樹木との競争の結果です。隣の樹木によって枝葉の成長が押えられると、その木の生長は落ちます。また、他の樹木が上からかぶさり、押さえられると、太陽の恵みはその木には届かず、生存そのものさえ脅かされます。下草刈り、除伐、蔓切り、枝打ち、間伐といった、細やかな人間の手入れなくしては、人工林は環境を保ち得ませんでした。つまり、日本の人工林は、多数の苗木を一斉に植え、成長に合わせて必要な手を掛けることで形作られたものであり、雨水を吸い込むスポンジのような土壌と、樹木の根、地表を覆う下草、緑豊かな空間など、管理の行き届いた森という点に特徴があります。
熱帯雨林や貴重な原生林は保全されなければなりません。けれども、人工林まで一切伐採しないことが自然環境のためになるかと言えば、そうではなく余計に環境を壊す方向に作用することを知らなければなりません。人工林は、例えて言えば「畑」の様な物です。一定の樹齢に達したものは放置しないで伐採してやることが、山の健康を維持するためにも欠かせない条件です。
森林は、鉱物資源や化石資源とは異なります。絶えざる更新によって再生可能な資源です。地下に眠っている鉱物や化石は掘り起こせば、いずれも枯渇します。森林は、地上資源であり、太陽が輝き、人間の手入れさえ行き届いていれば、永遠に再生(リサイクル)してくれます。
私たちは、外国材を敵視しているのではありません。日本では、年間約1億立方メートルの木材の消費がありますが、このうち国産材の消費は約2割の2000万立方メートルにすぎません。約8割は外国材で賄っている訳です。『近くの木で家をつくる運動』などが進展していますが、地元の木で家をつくれば長持ちすることが、これまで経験的に言われてきたことではあります。が、おそらく学問的に考えても、地元にいるシロアリや腐朽菌に対して、そこで育った木は抵抗力を持っていることは言えるのではないでしょうか。九州にはいるが、北海道にはいない菌というのはいるわけで、全く気候風土の違う外国から持ってきた木材よりも地元の木材の方が長持ちすると言えるでしょう。屋久杉を例に考えるとよく分かります。屋久杉は油分が多く腐りにとても強いと言います。これは『日本一雨が多い屋久島で育ったから』に他ありません。
また、地球環境保全の観点からも、外国材の中には、違法伐採されたものも、保護しなければならない天然林を伐採したものも含まれていないとは言い切れません。日本にはスギ・ヒノキの資源を循環型に継続可能な植林地があるのですから、これらの国産材を使い森林を再生していけば、これまで言ってきたような矛盾は解決していくのではないかと思います。
しかし、だからと言って、外材を規制によって締め出せと言うことではないのです。そんなことをすれば、またWTOなどから保護主義だと批判される原因になってしまうでしょう。我々が言いたいのは『もっとご飯を食べましょう』と言っているのと同じで、そのためには『パンや麺類』を否定する訳ではなく、消費者に国産材で家を建てたいという意欲を持っていただいて、その結果として外材が減っていくのであれば、どこからも文句の出ようがありません。
ホワイトウッドはヨーロッパスプルースの通称です。ドイツトウヒと言った方が馴染み深い。フィンランド木材振興会の日本向けのパンフレットでは、北欧の建築用材2大樹種としてヨーロッパアカマツとドイツトウヒ、すなわちホワイトウッドが紹介されています。ヨーロッパ及びヨーロッパロシアに広く育生するポピュラーな樹種で、材色は文字通り白ないし淡黄白色。このドイツトウヒは属こそ異なれ、卒塔婆(お墓の後方に立てる供養塔の板)の原料になる日本の「モミ」に近い木と思われます。
今では少なくなりましたが、西多摩地域の山々には、古来、天然のモミが潤沢に自生していました。同地域の日の出町は、江戸時代から卒塔婆の産地として有名で、現在でも、全国の卒塔婆生産のシェア7割を占めています。しかしモミは天然林賦存量の減少、伐採箇所の奥地化と伐採コスト高によって次第に入手困難になり、中国、ドイツ、カナダなどから原料を輸入したり、製造拠点を中国に移して卒塔婆を生産しているのが現状です。
では、ホワイトウッドによく似たモミは、なぜ卒塔婆の原料に適しているのでしょうか。日の出町にある老舗の卒塔婆製造販売業者の話によると、まず卒塔婆の条件として、
1)木肌が白く滑らかなこと
2)吸湿性に富むこと
3)腐朽しやすいこと
が上げられます。
1)及び2)であると、白地に梵字や戒名などを書く際に墨が乗りやすいからであり、3)については盆、春秋の彼岸、年忌など、仏事の節目節目に供えるため、できるだけ早く腐朽させる必要があったからです。つまり卒塔婆メーカーにしてもユーザーとしての寺にしても、回転が早いほうが、都合が良かった訳です。
したがって、この卒塔婆メーカーが指摘するように、「モミは、他の木に比べて粘りが少なく水気を吸い易いため建築材には不適」ということになります。
ホワイトウッドが日本のモミに性質が似ているということは、建築用材として問題を抱えていると言えるでしょう。実際、最近は強度や耐不朽性の観点から、集成材のラミナ(材料)がホワイトウッドからレッドウッド(ヨーロッパアカマツ)への原料転換が進んでいます。(青森では・・・ホワイトウッドのままです)
この様な事から、ホワイトウッドという材が湿気の多い日本の風土に建築用材として適しているかどうか、不安感は払拭できません。
青森県内でも、このホワイトウッドが木造住宅建築に例外なく使用されており、しかも、そのほとんどの場合、木材が空気に触れないつくりになっています。これはとても恐ろしいことです。また、つくり手(建設業者)の戦後の住宅づくりの考えは、卒塔婆と同じように、「スクラップ&ビルド」、早いサイクルで建替えることが企業にとってとても都合が良く、長持ちする家はタブー視する風潮さえあったようです(今もあるかも知れません)。「住宅は30年もしたら建替えだ」という考えは、とても非常識なことです。
住宅を計画するとき、8割の方は『木の家を建てたい』と言います。そうです、皆さん木の家が好きなのです。でもなぜその内の8割の方々は外国材住宅になるのでしょうか。それは、建て主様が勉強不足と言うこともありますが、それをいいことに施工業者に様々な理由をつけられ納得させられてしまうからです。さて、その施工業者の決まり文句はと言いますと、
1)『県産材は値段が高くつきますよ』
2)『県産材には集成材がなく、狂うので強度、狂いの面で優れた外国材の集成材にしましょうよ』
たいていの建て主様はこの2つの文句で納得してしまいます。『そうかぁ、安くて強くて狂いが少ないのであれば外国材の方がいいよなぁ』と、こんな具合です。皆さん、そんな簡単に納得してはいけません。
1)を言われたら先ず差額を出してもらって下さい。集成材とムク材の違いこそあれ、値段は変わらないはずです。調べてもいないのです。それと外国材の多くは伐採地を再生する経費を含んでいない、切りっぱなしなのだということを考えて下さい。もしかすると、その木は伐採してはいけない原生林かもしれません。あなたの家のために自然が壊れていく可能性があるのです。一度壊れた自然はお金では再生できないのです。『自分だけは良いだろう』と、青森の8割の人たちが使っているのです。そして、下手をすると30年もたないのです。
2)を言われたら、『腐り、シロアリにはどっちが強いの?』と聞いてみて下さい。『防腐、防蟻処理をきちんと行うので大丈夫です』と返事が返ってきます。『効果はどのくらいもつの?』と聞いて下さい。『保証は5年です』と言われます。そうです、効果が無くなったらまた体に害のある薬剤を塗らなければいけないのです。でも、シロアリの訪問業者に脅かされなければ誰も気にしていません。薬剤を塗ると、また有害化学物質も復活するのです。自然は壊れる、家は長持ちしない、家族を危険にさらす、良いことはないのです。確かに集成材に比べ、県産の無垢材は割れが入ったり狂いが出たりすることもあります。でも、生活に支障が出る程ではありません。
更に皆さんは、子供達に『なんで外国材を使ったの?』と聞かれたとしたら、どのように答えますか?きっと何も言えません。県産材で建てられた方々は、胸を張って『地球のために、日本のために、青森のために、地域のために、家族のために、これらの未来のために使ったんだよ』と言うことが出来ます。あなたが建築業者や設計者に『どうしても地元の木材で家を建てたいのです』と断固たる決意で言って頂ければ、たいていの施工業者は渋々でも使ってくれると思います。注意することは、しっかり乾燥した材料を仕入れてもらうことです。経験が少ない業者は心配です。始めて使うという会社はやめた方が無難です。しっかり品質管理された県産材を、気持ちよく使ってくれる業者を探すとなると、なかなか難しいと思います。でも青森県では私たち、県木住がお手伝いすることが出来ます。