住宅産業はクレーム産業とよく言われます。どんなに気を使って丁寧につくったとしても、どこかしら不具合がでたり、工事中に傷が付いたりしてしまいます。全てを工場内で、同じ物を何千台も作っている車でさえノークレームにはなり得ませんので、現場で手づくりされる住宅は多少仕方がありません。
クレームはとても難しくて、説明を受けてきちんと理解できればそれはクレームではなく利点になってしまうこともあります。不思議ですね。
仮に、それまでお互いノークレームであった県木住のユーザーさんと、新建材でつくられた家のユーザーさんとで、全くの説明無しでお宅交換したとすれば、きっとどちらもクレームだらけになることでしょう。一方では『木に隙間ができたり割れたりしているし、傷や染みが付き易くて、こんなのでは気を使って生活できない』と言い、もう一方では『新建材に使われる接着剤や塗料の臭いで具合が悪くなってしまい、とてもこの家で生活はできない』と言います。
このように住まい手の価値観で全く反対の結果が出てしまいます。気を付けなければいけないのは、新建材での家づくりをしている住宅会社は、残念ながらお互いの利点欠点をあまり説明してくれないということです。
私たちは新建材の利点も無垢材の欠点もきちんと説明した上で、お施主様に選んでいただいていますが、多少値段が高くなったとしても、ほとんど無垢材になります。追加の予算がどうしても出てこない場合は建築規模を縮小してまで無垢材を使いたいと言ってくださる方もいらっしゃいます。ありがたいことです。
図面は書き直しになりますが、このような変更でしたら大歓迎です。
最後に、10年20年経ってから『無垢材にしておけば良かった』と後悔する方はいると思いますが、普通の美的感覚を備えていれば『新建材にしておけば良かった』という方は絶対いないのではないかと思います。